財布の歴史について
出かけるときに、必ず持ち歩くアイテムがあります。
その一つが、財布です。
では、財布とはなんでしょうか?
財布とは、「金銭を入れて持ち歩く革や布で作られた袋」のことです。(大辞林より)
本来の目的は、紙幣や小銭を入れて持ち運ぶための道具です。
現代ではそこにクレジットカードやポイントカード、運転免許証、保険証、ATMカードなど、日常生活で使うカード類や身分証を入れて持ち運ぶ人が多くなっています。
貴重品の塊のような存在です。
もしうっかり家に忘れてしまったら、不安でたまらない。そんな人も多いのではないでしょうか。
財布の歴史は貨幣経済とともに
財布の歴史は、貨幣経済と共に始まりました。
貨幣経済とは、紙幣や通貨で物やサービスの代価を払うことです。
貨幣経済の前は物々交換で、やり取りをしていました。
経済のやり取りは大雑把に分けると、物々交換から貨幣経済へ移行しています。
所属している村のみや隣近所をはじめとした固定された範囲内であれば、物々交換でも成り立ちます。
しかし人口が増えたり交流する範囲が大きくなると、物々交換だけではかえってやり取りがやりにくくなります。
そのため共通の価値基準として、貨幣が使われるようになりました。
これにより経済活動は、爆発的に効率的に、そして広範囲で行われるようになりました。
それが現在にまで続いています。
貨幣経済が起こると、何をするにも貨幣が必要になってきます。
つまり身近に持ち歩く必要が出てきた、ということです。
財布には何がはいっていたのか
世界最古の財布の記録は、紀元前670年頃のリュディアで硬貨を持ち歩くために袋を使っていた、と言われています。
袋に入れられていたのは、同国で発行された世界最古の硬貨です。
その後17世紀ごろにヨーロッパで紙幣が広く使われるようになり、硬貨と紙幣を同時に持ち歩く必要が出てきました。
それが現在主流の財布(紙幣入れと小銭入れがくっついたタイプのもの)の誕生のきっかけになっています。
素材は丈夫で破けにくい革製です。
紙幣入れの部分ができるまで、小銭入れに紙幣を突っ込んで運んでいました。
さすがにそれでは紙幣の見た目が悪いですし、使うときに不便です。
紙幣を汚さず綺麗に持ち運べるのは、今の財布では当たり前です。
札入れが当時画期的な入れ物だったのは、面白いと思います。
今では財布に使われる素材もデザインも、考え方も様々です。
財布を実用的なアイテムとして考える人もいますし、実用よりもオシャレな小物として使う人もいます。
素材も革、布、合成繊維、合皮など様々です。
デザインも長財布、折り財布、硬貨入れ、マネークリップのように目的別で選ぶこともできます。
財布を選ぶのが、とても楽しい時代ですね。